読み
しゃかいこうせいかんすう
意味
厚生経済学において、複数の個人(家計)の幸福(効用)をもとに、社会全体の経済的厚生の水準を導き出す関数。
社会的厚生は、個々人の効用に依存し、一般に各個人の効用水準(基数的効用)を集計することで導出される。社会選択理論における重要な概念の一つであり、経済政策を評価する上での価値基準として用いられる。
1938年、ハーバード大学院生であったアブラム・バーグソンが提唱し、その後、同学院生であったポール・サミュエルソンにより定式化された。
社会厚生関数は、個人の効用の扱いにおいて、何を優先するのかによって結果が異なるという特徴がある。
例えば、功利主義的(ベンサム的)社会厚生関数は、個人の効用の合計(総和)として社会的厚生を計測する。
一方、ジョン・ロールズに代表されるロールズ型社会厚生関数は、最も不利な個人の効用(最小値)を基準として社会的厚生を評価する。
前者は、一部の人の効用が低下しても効用の総和の最大化を重視するのに対し、後者は最低水準の引き上げを重視する(この場合、社会全体の効用の総和は前者より低くなる可能性がある)。
なお、個人の選好を社会全体の選好として集計することには理論的な課題があり、アローの不可能性定理によって、個人の選好から合理的な社会的選好順位を導く一般的な集計ルールは存在しないことが示されている。
関連語句
登録年月
2026年4月

